ボルボ・トラックのLNGトラクターが国のカーボンニュートラル事業で運用開始

~大型車のCO2排出削減の選択肢を提供~
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ボルボ・トラックの日本国内でのインポータ―業務を担うUDトラックス株式会社(本社:埼玉県上尾市、代表取締役社長:丸山浩二、以下「UDトラックス」)は、環境省の事業*1における実証実験のため、ボルボ・トラックのLNG(液化天然ガス)トラクターを提供し運用が開始されたことをお知らせいたします。

 

これは、大型トラックによる運輸部門でのCO2排出量削減を目的とし、三菱商事株式会社が代表事業者として環境省から受託した実証事業であり、小型LNG充填設備を北海道苫小牧市と石狩市に設置し実証実験を行っているものです。

本事業の実証実験開始以来、大型LNGトラックによる走行が行われてきましたが、トラクターへの需要に応える形で、今年7月11日にボルボトラクターFH LNGの2台の走行が開始されました。

日本では、大型トラックのほとんどがディーゼルを燃料とする中、CO2排出量の削減が喫緊の課題となっています。ボルボ・トラックは2017年に欧州でLNGトラクターの販売を開始しており、欧州を中心に累積販売台数は6,000台以上にのぼります。

LNGは空気より軽いため、万が一の漏出時にも蒸発し着火しづらく毒性もないので、安全性に優れています。ボルボ・トラックのLNGトラクターは、同型モデルのディーゼル車と比較すると約20%のCO2を削減し、また液化バイオメタンを混合すれば削減率はさらに向上します。今回提供した車両はLNGと軽油のデュアルフューエルで、最長走行距離は800kmから900kmに及び、LNGがなくなった場合は軽油だけで走行*2ができます。

このたび、ボルボ・トラックのスウェーデン本社より海外営業部門の責任者、パー・エリック・ リンドストロームが来日し、苫小牧市の小型LNG充填設備を訪れました。

リンドストロームは以下のようにコメントしています。「日本をはじめ、さまざまな地域で代替燃料への関心が高まる中、世界有数のLNG輸入国である日本市場において、ボルボ・トラックの代替燃料ソリューションは、よりクリーンで静かな輸送の新たな可能性を切り開くことを確信しています。それぞれの国に新しいテクノロジーが導入される際に最も重要なのは現地の法規に適合することです。我々のインポーターであるUDトラックスは、行政と連携しながら対応を進めています。ボルボ・トラックは今後も、ゼロエミッションを目指し、カーボンニュートラルソリューションの提供を念頭に製品開発に力を注いでまいります。」

ボルボ・トラックセールスのバイスプレジデント 関原紀男は、「大型トラック物流の低・脱炭素化を目指すこの事業で、ボルボ・トラックのLNGトラクターを用いて日本国内でのカーボンニュートラルに向けて貢献できることを大変嬉しく思います」と言います。

*1令和6年度地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業(環境省R&D事業)「小規模分散型LNG充填所ネットワーク構築による大型トラック物流の低炭素化手法の実証」

*2速度は20km/h以下となる

 

■本事業に提供したボルボFH LNG の主要諸元

モデル:FH4 x 2 トラクター

キャブタイプ:スリーパーキャブ(SLP)

排気量:13L

馬力:460PS(2024年モデルの ディーゼル車と同等性能)

燃料:LNGと軽油のデュアルフューエル(消費量LNG:軽油=9:1)

LNGタンク容量:205㎏ (軽油170L ・AdBlue 64L)

最大走行距離:800~900㎞

 

■関連サイト

ボルボ・トラック・ジャパン ウェブサイト

https://www.volvotrucks.jp/ja-jp/

LNGトラックの実証事業の紹介ページ

北海道におけるLNGトラック向け小型LNG充填設備の実証事業のご紹介 | 三菱商事 (mitsubishicorp.com)